月刊グラフィア 2021年4月号
地図と位置情報を中心としたニュースサイト「GeoNews」の協力を受けて、2021年3月に掲載したニュースの中から厳選した5つの話題をピックアップして紹介します。
1. 国交省が「Project PLATEAU ver1.0」をリリース、全国56都市の3D都市モデルを公開
国土交通省は、3D都市モデルの整備プロジェクト「Project PLATEAU」の公式ウェブサイト「PLATEAU ver1.0」をリリースしました。PLATEAUは3D都市モデルの整備・活用やオープンデータ化に取り組むプロジェクトで、社会基盤情報流通推進協議会(AIGID)が運用する地理空間情報のプラットフォーム「G空間情報センター」において3D都市モデルのオープンデータ化も開始しました。
まずは東京23区の3D都市モデルデータを掲載し、4月中に全国56都市の3D都市モデルのデータを順次、オープンデータとして公開する予定です。また、ユースケースや実証成果を取りまとめたマニュアル、技術資料なども公開しています。
2. Geoloniaと不動産テック協会、不動産情報に付与する共通IDのベータ版を4月に提供開始
Geoloniaと不動産テック協会は、国内の土地や建物などの不動産情報に対して付与する共通ID(不動産共通ID)のベータ版を4月15日に提供開始すると発表しました。
不動産共通IDは、不動産取引における企業間での情報連携やデータ連携などの実現を目的として整備するIDで、同一の物件を示す情報に共通のIDを付与することで表記揺れに影響することなく物件の特定が可能となり、不動産情報のデータ連携にかかるコストの削減などが期待されています。
ベータ版はAPIとして提供され、無料で利用が可能です。4月15日の提供開始に先立って、事前利用登録の受け付けも開始しています。
3. オープンデータ活用で地域課題解決に取り組む「アーバンデータチャレンジ2020」ファイナルステージがオンラインで開催
地域の課題解決や魅力創出を目的にオープンデータやその活用ツール、アイデアなどの創出に取り組むプロジェクト「アーバンデータチャレンジ(UDC)2020 with土木学会インフラデータチャレンジ2020」ファイナルステージが3月13日、オンラインにて開催されました。UDCは地方自治体発のオープンデータや社会インフラに関する情報収集や情報配信の環境を整備し、これらのデータを使用したツールやアイデアなどを作品として仕上げるプロジェクトで、これらを表彰するコンテストの最終審査会が行われ、優秀作品が決定されました。地図・位置情報に関係する作品も数多く、さまざまな先進事例やアイディアが発表されました。
4. 地図マピオン、移動手段ごとの到達圏を可視化した「到達圏マップ」と道路の名称などがわかりやすい「通り名マップ」を追加
ONE COMPATHは31日、iOS版地図アプリ「地図マピオン」において、移動手段ごとの到達圏を可視化した「到達圏マップ」と、道路や交差点、橋などの名称が地図上でわかりやすく表現された「通り名マップ」を追加しました。
到達圏マップは、徒歩や自転車、クルマなど移動手段ごとの到達圏を可視化する地図で、「30分以内に自転車で配達できる範囲」などを調べられます。通り名マップは、「六本木通り」や「二条通」など道の通称(通り名)に特化した地図で、日本全国の主要幹線道路のほか、交差点名、ローカルな道路名、橋の名前、商店街やアーケード街の名前が分かりやすく表現されます。
なお、地図マピオンのiOS版ではこのほかに、地図上に円を描いて距離を計測できる新機能「円キョリマップ」も3月4日に追加しています。
GeoNewsの記事を読む(到達圏マップ・通り名マップ)
GeoNewsの記事を読む(円キョリマップ)
5. 国土地理院、東日本大震災関係の2基を含む37基の自然災害伝承碑を追加公開
東日本大震災が今年の3月11日で10周年を迎えた中、国土地理院は東日本大震災関係を含む「自然災害伝承碑」をウェブ地図サービス「地理院地図」にて追加公開しました。
自然災害伝承碑は、過去に起きた洪水や津波、地震などによって起きた災害を伝える石碑です。地理院地図で公開している自然災害伝承碑の情報は、碑名や災害名、災害の種類、碑が建立された年、碑の所在値、伝承内容、写真などを収録しています。
3月3日には27市区町村120基、3月29日には16市区町村37基が追加で公開され、これにより公開数の総数は47都道府県267市区町村898基となりました。
GeoNewsの記事を読む(3月3日追加について)
GeoNewsの記事を読む(3月29日追加について)
記事協力:GeoNews