50団体が出展、来場者1000人を突破した「ジオ展2024」レポート

地図・位置情報関連の展示会「ジオ展2024」が4月19日、東京・台東区のヒューリック浅草橋ビルにて開催されました。ジオ展は2016年11月に第1回が開催され、今回が9回目です。主催者は昨年に引き続き、マップボックス・ジャパン合同会社と株式会社MIERUNEの共同開催となります。

出展者数は過去最高となる50団体で、地図データのプロバイダーや地図開発プラットフォームの提供会社、地図・位置情報ソリューションやGISの提供会社、大学の研究室、趣味のサークルまで幅広い企業や団体が参加しました。

ジオ展はコロナ禍により2020年~2022年はオンライン開催となり、昨年は4年ぶりにリアル会場での開催となって来場者数も過去最高の852人となりましたが、今年はそれを上回る1,072人が来場し、出展者180人とあわせて会場は大盛況となりました。展示会場に隣接したプレゼンテーション会場では30の企業・団体による発表が行われ、地理空間情報に関連した取り組みや技術、サービスなどを紹介しました。

graphiaを運営するGeoloniaのブースでは、空間IDのデモや地理空間データ基盤「Geolonia Maps for SmartCity」や、同プラットフォームを活用し市民向け防災アプリケーションの紹介などを行いました。

Geoloniaのブース

このほか50の出展団体の中からピックアップした16の展示ブースを紹介します。

高精度3次元地図を除雪作業に活用

ダイナミックマッププラットフォーム株式会社は、自動運転やADAS(先進運転支援システム)向けのHDマップ(高精度3次元地図)や、同マップを除雪作業に活用する取り組みなどについて展示しました。

「好きな地図投影法は?」アンケートを実施

株式会社MIERUNEは、同社のサービスやソリューションを紹介するとともに、来場者アンケートとして「好きな地図投影法(EPSG)は何ですか?」というシール投票を行いました。

昨年に引き続き「ジオガチャ」が大好評

青山学院大学古橋研究室は、ジオ関連のグッズが当たる「ジオガチャ」を設置し、早々に売り切れとなっていました。

3Dデータを可視化できるビューアを紹介

日本スーパーマップ株式会社は、3D都市モデルや3D点群データを可視化できる3Dビューア「CIM View 2024」を紹介しました。

誤差数センチの高精度測位を実現

ソフトバンク株式会社およびALES株式会社は、RTK(リアルタイムキネマティック)による高精度測位サービス「ichimill」を紹介していました。同サービスはソフトバンクのモバイル回線を通じて補正情報を配信し、誤差数センチメートルの高精度測位を実現します。

全国統一の観光スポットカード

株式会社ニシムラ精密地形模型は、立体地形模型とプロジェクションマッピングを組み合わせた作品や、全国各地の観光スポットのカードをコレクションできる「ロゲットカード」を展示しました。

対話型生成AIを活用した人流分析サービス

位置情報解析の東大発ベンチャーであるLocationMind株式会社は、同社が提供する人流データ分析の技術や対話型生成AIを活用したサービスについて紹介しました。

B2Bに最適な地図アプリの正式版がリリース

HERE Technologiesは、B2Bに最適なスマートフォン向け地図アプリ「HERE WeGo」の正式版をはじめ同社が提供する様々なサービスを紹介しました。

AIを活用して地物を識別

株式会社オービタルネットは、航空写真や衛星画像の超解像化技術や、AIを活用して地物の識別やセグメンテーションを行う技術を紹介しました。

災害が起こりやすい地点を当てて得点を競うゲーム

東京カートグラフィック株式会社は、地図をエンターテインメントとして演出する「ディレクティングマップ」を紹介。地図上で災害が起こりやすいと思われる地点をタップすると得点できる、デジタルサイネージを使ったゲーム「守れ!サイガイ防衛隊」を展示しました。

地理学研究会によるフィールドワークの紹介

國學院大学 地理学研究会は、都内や神奈川県で行われたフィールドワークの紹介や、会誌「こくちり」の販売などを行いました。

カーナビのノウハウをオープンプラットフォーム化

パイオニア株式会社は、同社が保有するカーナビゲーションのノウハウをオープンプラットフォーム化した「Piomatix LBS」や、2023年9月に提供開始したカーナビアプリ「COCCHi」を展示しました。

イラストマップや缶バッジなどのオリジナルグッズを販売

地図・地理・地形を好きな人たちが集うグループ「地図ラーの会」は、同会が制作した街歩きガイドの同人誌やイラストマップ、缶バッジなどのグッズを販売しました。

3Dデータを快適に見られる開発プラットフォーム

ソニーグループ株式会社は、3D都市モデルや3D点群データを可視化するデジタルツイン開発プラットフォーム「Mapray」のデモを行いました。

美しい3D表現が可能な新機能を紹介

マップボックス・ジャパン合同会社のブースでは、Mapboxのプラットフォームを活用して都内の鉄道の動きを3D地図上に再現した「Mini Tokyo 3D」や、美しい地図表現が可能な3D機能「Mapbox Standard」のデモを行いました。

メンバーの著書や会報を販売

社会人の地理クラブ「地理の会」は、巡検や交流会、講演会など同会の活動内容を紹介するとともに、会報のバックナンバーやメンバーの著書などを販売しました。

本記事を執筆したライター片岡さんによるジオ展2024の詳細レポートがINTERNET Watchにも掲載されています。合わせてお読みください。

「ジオ展2024」が大盛況だった! 地図・位置情報の関係者らが集結するイベント、来場者数が過去最高を記録【地図と位置情報】 – INTERNET Watch
https://internet.watch.impress.co.jp/docs/column/chizu3/1586870.html

URL

ジオ展 (じおてん, Geo-ten)
https://www.geoten.org/

ジオ業界の動向をまとめてチェック!ジオ専業ライター片岡氏が選ぶ「ジオ界 10大ニュース 2024」を発表
https://graphia.jp/article/2024/04/19/1688/

42団体が出展、4年ぶりのリアル開催となった「ジオ展2023」レポート
https://graphia.jp/article/2023/04/27/774/

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