【ジオ用語解説】アドレス・ベース・レジストリ
アドレス・ベース・レジストリとは、デジタル庁がベース・レジストリ(公的基礎情報データベース)として整備している住所・所在地に関するデータベースで、ダウンロードサイト(https://dataset.address-br.digital.go.jp/)より無料でデータをダウンロードできます。

アドレス・ベース・レジストリ ダウンロードサイト
(https://dataset.address-br.digital.go.jp/)
日本では住所や所在地に関する制度が不動産登記法と住居表示法という異なる制度に分かれており、それらは一元的に管理されていません。また、行政や民間事業者など様々な組織が個別に整備を行っているために社会全体でのコストが重複するとともに、表記ゆれによりシステム間でのデータ連携や統合が難しいという課題もあります。
デジタル庁はこのような課題を解決するため、国土地理院が整備する「電子国土基本図(地名情報)」や国土交通省が整備する「位置参照情報」、法務省が整備する「登記所備付地図データ」など、行政が保有する住所関連のデータをもとに2021年度からアドレス・ベース・レジストリを試験的に公開しています。
さらに2023年度以降はデジタル臨時行政調査会などで整備方針を検討し、そこでとりまとめた整備方針に基づいて、町字までのデータについては2025年6月に自治体の確認を経た正式版の町字データ(文字情報)として公開し、今後は関係省庁と連携して最新情報を収集しながらデータを更新していく方針です。
なお、正式版の町字データには、同一の大字・町名に対して異なるIDが付番されているなど、留意が必要な自治体が含まれていたため、2025年10月16日に留意事項に対応して修正された町字データが公開されています。
現在、「地方公共団体の基幹業務システムの統一・標準化」の「データ要件・連携要件の標準仕様」において、各システムのデータ項目「住所_町字コード」に、アドレス・ベース・レジストリの町字マスターデータセットで規定された町字IDのコード値を設定することが規定されています。
アドレス・ベース・レジストリのデータをダウンロードするには、ダウンロードサイトの検索窓において都道府県名や市区町村名など入手したいキーワードで検索すると、該当する地域のデータの詳細が表示されるので、「ドキュメントを開く」を選択するとダウンロードページが表示されます。
アドレス・ベース・レジストリのデータのテーブルは階層構造で構成されており、現時点では、町字(文字情報)までのデータ整備が完了し、他の項目についても整備方針が検討されています。以下のデータセットについては、現在のところ試験公開版として公開されています。
- 町字マスター位置参照拡張
- 住居表示-街区マスター、住居表示-街区マスター位置参照拡張
- 住居表示-住居マスター、住居表示-住居マスター位置参照拡張
- 地番マスター、地番マスター位置参照拡張

アドレス・ベース・レジストリの階層構造
(デジタル庁ウェブサイトより引用:https://www.digital.go.jp/policies/base_registry_address)
町字データはCSV形式として公開されているほか、住所正規化・ジオコーディングツール「ABR(アドレズ・ベース・レジストリ)ジオコーダー」もGitHubにてオープンソースソフトウェアとして公開中です。同ツールを使うことにより、住所・所在地に関するデータの突合や名寄せの労力を低減したり、住所・所在地の文字列を含むデータを地図に表示したりすることが可能となります。










