月刊グラフィア 2024年7月号

2024年6月分の位置情報ニュースまとめ

地図と位置情報を中心としたニュースサイト「GeoNews」の協力を受けて、2024年6月に掲載したニュースの中から厳選した5つの話題をピックアップして紹介します。

国土交通省、国道などの平面図データを活用できる「全国道路基盤地図等データベース」を公開

国土交通省、国道などの平面図データを活用できる「全国道路基盤地図等データベース」を公開

国土交通省は5月31日、「全国道路基盤地図等データベース」の一般公開を開始しました。

同サイトは、道路基盤地図情報および道路台帳附図のデータを一元的に管理するデータベースで、誰でも無料で閲覧できます。道路管理者ごとに蓄積・管理していた平面図データを一元的に活用することが可能で、直轄国道の詳細な平面図を閲覧できます。道路台帳附図についてはPDFでのダウンロードも行えます。なお、研究機関や民間企業などがAPI連携など行う場合は有料での提供も行います。

操作方法は、左上の「地図」メニューを開いて地図の種類を選択すると、右側の地図画面に結果が反映されます。
道路台帳附図(作図区間)を選択すると、道路台帳附図各図面の起終点を結ぶ赤色直線が表示され、ポップアップ画面上のリンクから道路台帳附図のCADやPDFデータをダウンロードできます。道路台帳附図の場合は整備局および事務所を選択すると該当する図が表示されます。

道路基盤地図情報(国道)を選択すると、全国の道路基盤地図情報が着色表示されます。また、上部の「公開リスト表示」メニューより、道路台帳附図のリストが一覧表示されます。

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ナビタイムジャパン、「NAVITIME」ウェブ版にて「日陰マップ」「並木道マップ」「お花畑マップ」を提供開始

ナビタイムジャパン、「NAVITIME」ウェブ版にて「日陰マップ」「並木道マップ」「お花畑マップ」を提供開始

株式会社ナビタイムジャパンは6月20日、PC向けの「NAVITIME」ウェブ版の地図機能に「日陰マップ」「並木道マップ」「お花畑マップ」を追加しました。

3つの新たなマップが追加されたことにより、建物や街路樹、3Dランドマークの日陰、街中の樹木や花畑が地図上に3Dアニメーションで立体的に描画され、季節性のある情報を視覚的に楽しむことが可能となります。NAVITIMEのウェブ版の地図機能は、上部メニューの「地図を見る」からアクセスできます。

日陰マップでは、建物、街路樹、3Dランドマークの日陰情報が地図上に重ねて表示されます。画面下のスクロールバーを左右に動かすと、その日(0時~24時まで)の10分ごとの日陰の変化を確認できます。太陽の動きと建物や街路樹、3Dランドマークの位置関係をもとに日陰部分を計算して描画するので、形状に合わせた実際の日陰に近い再現が可能です。

並木道マップでは、市街地の道路や小道沿いの並木や樹木を3Dの形状で表示します。すでに提供中の「航空写真」地図を活用してAI(機械学習)による並木道推論モデルに読み込ませることでデータベース化し、東京都が公開する街路樹データと組み合わせることでナビタイムジャパンが独自にデータを生成しています。歩道データと照合しているため、道筋に沿った形状で表示を行えます。

お花畑マップは、開花に合わせて3Dアニメーションで花畑を動的に表現します。花畑上のアイコンからそのスポットの詳細情報を確認することが可能で、旅行プランニング&予約サービスの「NAVITIME Travel」と連携しており、関連する旅行ガイド記事を閲覧することもできます。GPU技術を活用して花の形状を計算し、地図上に滑らかなアニメーションでの描画を実現しています。今後は独自に調査した全国の主要な花畑25カ所に対応する予定です。

6月20日時点ではラベンダーを北海道「日の出公園」と「ファーム富田」、山梨県「八木崎公園」、紫陽花を東京「上野恩賜公園」、鎌倉「明月院」、京都「三室戸寺」にて表示しており、7月以降は開花に合わせてひまわりやコスモスなども見られるようになる予定です。

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ヤマップ、登山者の投稿と軌跡データを活用した「日本一道迷いしやすい登山道 2024」を発表

ヤマップ、登山者の投稿と軌跡データを活用した「日本一道迷いしやすい登山道 2024」を発表

株式会社ヤマップは6月14日、「日本一道迷いしやすい登山道 2024」を発表しました。

この調査は、迷いやすい登山道を調べたもので、日本全国を8エリアに分けて、各エリア3カ所ずつを選定しています。調査機関は2023年5月1日~2024年4月30日で、山の中で道迷いしやすい場所などの注意情報をユーザー同士で共有できる機能「フィールドメモ」の記録の中から、「迷いやすい」タグの密集地点をエリアごとに抽出した上で、登山者の軌跡データを確認することで選定しています。

発表によると、北海道・東北エリアでは青麻山(宮城県)、関東エリアでは硯岩(群馬県)、北陸エリアでは黒部峡谷(富山県)、甲信越エリアでは蛇峠山(長野県)、東海エリアでは御在所岳(三重県)、近畿エリアでは如意ヶ岳(京都府)、中国・四国エリアでは眉山(徳島県)、九州・沖縄エリアでは金山(福岡県)がそれぞれ第1位となっています。

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マップル、Windows用地図ソフト「スーパーマップル・デジタル25」を発売

マップル、Windows用地図ソフト「スーパーマップル・デジタル25」を発売

株式会社マップルは、Windows用地図ソフト「スーパーマップル・デジタル25」を7月5日に発売すると発表しました。

同ソフトは、デジタル地図や住所、POI(検索データ)、行政区画、道路ネットワーク、観光地エリアなどの各種データを搭載したWindows用の地図ソフト。本バージョンではGIS(地理情報システム)機能を強化し、外部データの取り込みについて従来からサポートしているKMLやGeoJSONに加えて、新たにシェープファイル(Shapefile)形式にも対応しました。取り込み処理も高速化し、ポリゴン640,000件、ライン14,000件、テキスト1,200件の外部データの取り込み試験において、平均で約20%、最大で約30%の速度向上が実現しました。

行政区域の強調表示機能も拡張し、これまで1つしか選べなかった行政区域を複数選択して強調表示ができるようになりました。さらに、選択指定した行政区域内に含まれる店舗や顧客などの管理情報を抽出する機能や、地図上に表示したい情報フォルダをチェックボックスでON/OFFできる機能も追加しました。また、カスタム情報アイコンのデザインもシンプルで実用性の高いものに変更しました。

同社は各所で公開されているオープンデータの種別と有用性を知ってもらうことを目的に、無償で利用できるダウンロードサイトも新たに開設しました。マップルが編集したオープンデータには、地価公示、バスルート、各種ハザード系情報といった実用的な22種類のデータが含まれており、簡単に「スーパーマップル・デジタル」の地図上に表示できます。

提供形態はパッケージ版、ダウンロード版、ライセンス版の3種類で、パッケージ版は全国版DVDおよび全国版USB、東日本版DVD、西日本版DVDの4種類を用意しています。

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地図上で現場状況をリアルタイムに共有できるアプリ「LivMap」が正式リリース

地図上で現場状況をリアルタイムに共有できるアプリ「LivMap」が正式リリース

株式会社はんぽさきは6月25日、共有地図アプリ「LivMap(リブマップ)」の正式版を提供開始しました。利用料金は1ユーザーにつき月額680円~(税込)です。

同アプリは、現場状況のリアルタイムな把握や地図上での情報管理・共有化が必要な業態向けの共有地図アプリです。設備管理や現地調査、集荷配送、農林水産業、災害対応などの業務をスマートフォン上で代替できます。

グループメンバー間で現場写真や地点メモ、現在位置、軌跡などをリアルタイムに共有・記録することが可能で、チームメンバーが共有・記録した情報は、スマホアプリやPCのブラウザから時系列で後から参照できます。

公的機関や自治体などから提供される用途地域や森林計画図、ハザードマップ、CS立体図などの地図をあらかじめ搭載するほか、紙・PDFなどを含む地図資料からGISデータを作成するサービスも提供します。搭載した地図はダウンロードして通信圏外でも利用可能で、通信圏外での記録した情報は次に電波を掴んだ時点共有されます。

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記事協力:GeoNews

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