月刊グラフィア 2021年8月号
地図と位置情報を中心としたニュースサイト「GeoNews」の協力を受けて、2021年7月に掲載したニュースの中から厳選した5つの話題をピックアップして紹介します。
東京都、「デジタルツイン実現プロジェクト」ウェブサイトと3Dビューアを開設
東京都は、デジタルツインの実現により課題解決と都民のQOL向上を目指す「デジタルツイン実現プロジェクト」のプロジェクトサイトを開設しました。
同プロジェクトはデジタルツインを産学官一体で実現を目指す取り組みで、2021年度は「地下空間も含めたリアルタイム人流可視化」、「地下埋設物の3D化による業務改善効果検証」、「スマートフォンを活用した3Dマップ更新検証」の3つの実証を予定しています。
また、プロジェクトサイトと同時に、さまざまな分野のデータを3D地図上に重ねて見ることができる「東京都デジタルツイン3Dビューア(β版)」も公開しています。
I’mbesideyou、アスリートへの声援を地球上に可視化する「UNITE BY EMOTION」を提供開始
株式会社I’mbesideyouは、東京オリンピックの開幕にあわせて、世界中の人たちの声援を感情解析AIによって地球上に可視化するサービス「UNITE BY EMOTION」を提供開始しました。
同社が保有する感情認識技術を活用して、世界中の人たちがアスリートへの応援を動画や写真で自ら撮影し、投稿することにより、投稿者の感情がビジュアル化されて、3Dの地球上に投影されます。
投稿された動画や写真はランダムに表示されるほか、応援された国もサイト上に表示されます。
Yahoo!カーナビ、五輪期間中の交通規制に対応したルート検索が可能に
ヤフー株式会社は、カーナビアプリ「Yahoo!カーナビ」において、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の期間中の交通規制などに対応したルートの提案や、通行規制エリアなどを地図上に表示する機能を提供開始しました。
ユーザーは画面に表示される「回避ルートを利用」をタップするだけで、自動的に関係者輸送ルートを回避するルートを確認できます。ルート検索結果画面右下に「回避ルートON」と表示されたら、自動的に関係者輸送ルートの回避ルートが提案され、進入禁止エリアや通行規制エリア、迂回エリアなどを地図上で確認できます。
国土地理院、盛土の可能性のある箇所をデジタルマップで抽出
国土地理院は、今後の盛土の点検の参考となるように、デジタルマップを利用して全国各地において盛土の可能性のある箇所の抽出を行うと発表しました。
これは静岡県熱海市で発生した土石流災害を受けて行う取り組みで、作成時期の異なる基盤地図情報の数値標高モデルのデータを比較することにより、一定以上標高に変化のある箇所を盛土の可能性のある箇所として抽出します。
抽出した箇所は関係省庁や地方公共団体に提供する予定で、盛土の点検の実施にあたっては今後、関係省庁と連携しながら進めていく方針です。
Googleマップ、東京駅・渋谷駅・新宿駅などでインドアライブビューが利用可能に
Googleは地図アプリ「Googleマップ」において、JR東日本の主要駅や商用施設でのインドアライブビュー機能を提供開始しました。
インドアライブビューは、屋内施設においてARを活用したナビゲーションを行う機能で、AIで数百億枚のストリートビュー画像をスキャンすることでユーザーが向いている方向を特定する技術「グローバルローカライゼーション」を活用し、建物内でも正確な高度と位置を判別できます。
同機能が利用可能な駅は東京駅、新宿駅、渋谷駅をはじめとした首都圏の主要な駅で、対象施設は今後順次拡大する予定です。
記事協力:GeoNews