月刊グラフィア 2021年11月号
地図と位置情報を中心としたニュースサイト「GeoNews」の協力を受けて、2021年10月に掲載したニュースの中から厳選した5つの話題をピックアップして紹介します。
準天頂衛星システム「みちびき」初号機後継機の打ち上げが成功
内閣府が整備を進めている準天頂衛星システム「みちびき」の初号機後継機が10月26日、種子島宇宙センターからH-IIAロケット44号機により打ち上げられました。
みちびき初号機後継機は、2010年に打ち上げられたみちびき初号機の後継となる衛星で、2017年に打ち上げられたみちびき2号機および4号機をベースとしています。
これまで初号機~4号機が行ってきた衛星測位サービスや高精度な補強サービスなどを提供する役割を引き継ぐとともに、配信する測位信号の精度向上に取り組んでいます。
ナビタイム、カーナビアプリで「ガソリン価格マップ」を提供開始
株式会社ナビタイムジャパンは10月29日、 カーナビアプリ「NAVITIME ドライブサポーター」 にて、地図上でガソリン価格の傾向がわかる「ガソリン価格マップ」を提供開始しました。
全国のガソリン平均価格に対する、ガソリン価格の高さ・安さを地図上で可視化した地図で、ナビゲーション中の地図に重ねて表示することが可能なため、これから通行するルート上で価格の安いエリアを探すことができます。
また、周辺のガソリンスタンド検索時に、ガソリンの種類での絞り込みと価格の安い順での並び替えを行う機能も追加したほか、当日の都道府県別のガソリン平均価格や、全国のガソリン平均価格と直近2週間のガソリン価格推移グラフも提供します。
オービタルネット、全国の屋根上ソーラーパネルの位置を可視化したマップを公開
株式会社オービタルネットは10月1日、全国の屋根上ソーラーパネル密度を可視化したマップおよび全国の屋根上ソーラーパネルの市区町村別統計マップを公開しました。
これまで試験公開していた「全国屋根上太陽光発電設備ヒートマップ」と「全国屋根上太陽光発電設備カーネル密度推定マップ」の関東・中部版を全国版に拡大したもので、さらに市区町村別に統計分析を行って可視化しました。
いずれもディープラーニングを用いた空中写真判読(AI判読)によって取得した屋根上ソーラーパネルの位置情報をもとに作成しています。
スペースデータ、衛星データをもとにニューヨークの3DモデルをAIで自動生成
株式会社スペースデータは、衛星データを活用して米国のニューヨーク市のマンハッタン地区の3D都市モデルをAIで自動生成しました。
人工衛星から取得できる地上の静止画像と標高データ(DEM・DSM)に機械学習を行い、地上の構造物を自動で検出・分類・構造化した上で、AIに地上の3Dモデルを自動生成させて、3DCG技術によって石・鉄・植物・ガラスなどの細かな材質を自動的に再現しました。
人間視点の3Dモデルを自動生成することを得意としたAIアルゴリズムのため、近い距離でも景観が劣化しにくく、VRやゲーム、映像制作などの用途に活用しやすいのが特徴です。
衛星データプラットフォーム「Tellus」のVer.3.0が提供開始、衛星データの売買が可能な新機能が追加
さくらインターネット株式会社は10月26日、衛星データプラットフォーム「Tellus」のVer.3.0を提供開始し、新機能「Tellus Satellite Data Traveler」を追加しました。同機能は衛星データの売買が可能で、衛星のセンサーの種類や時刻、AOI(関心領域)などを指定して検索し、購入できるほか、ユーザーの環境に購入した衛星データを保存することもできます。衛星データを販売する衛星データプロバイダーは、日本スペースイメージング株式会社(JSI)、日本地球観測衛星サービス株式会社(JEOSS)、株式会社パスコの3社となります。
記事協力:GeoNews