月刊グラフィア 2022年8月号
地図と位置情報を中心としたニュースサイト「GeoNews」の協力を受けて、2022年7月に掲載したニュースの中から厳選した5つの話題をピックアップして紹介します。
ナビタイム、日差しを避けたウォーキングをサポートする「日陰マップ」をALKOOで提供開始
株式会社ナビタイムジャパンは7月29日、ウォーキングアプリ「ALKOO by NAVITIME」のAndroid版にて、「日陰マップ」を提供開始しました。
「日陰マップ」は、地図上の「日陰」アイコンをタップすると、現在時刻の日陰状況を地図上に重ねて表示する機能で、日本全国に対応しており、無料で利用できます。建物の高さと日ごとの時間別太陽高度などから日陰部分を都度算出し、リアルタイムに地図上へ描画することで視覚的に分かりすい日陰情報を提供しています。
地図上で日陰情報と合わせて散歩ルートやウォーキングコースを確認することも可能になり、夏のウォーキングでの活用だけでなく、冬は日向が多く暖かい道を確認したりと、一年を通して快適なルートを選びながらウォーキングを楽しめます。
なお、8月にはiOS版の「ALKOO by NAVITIME」および株式会社NTTドコモが提供する「スゴ得コンテンツ」にて提供中のAndroid向け「ALKOO forスゴ得」でも対応を予定しています。
国交省、「全国道路施設点検データベース」の詳細情報を有料で公開
国土交通省道路局は7月12日、道路施設に関するデータベース「全国道路施設点検データベース」の詳細情報を有料で公開しました。
国交省はデジタル道路地図などを基盤として、橋や構造物などの諸元データや点検結果、BIM/CIMデータ、リアルタイムデータなどを紐付けるデータプラットフォーム「xROAD」の構築を進めており、全国道路施設点検データベースはxROADを支える情報基盤のうち道路施設情報の管理・提供を担うものとして位置付けられています。
有料公開に先立って、5月に全国道路施設データベースの基礎データベースの部分を「全国道路施設点検データベース~ 損傷マップ ~」としてウェブサイトにて無料で公開していたが、今回公開したのは詳細データベース部分で、有料での提供となります。
全国道路施設点検データベースは道路施設に関する各種情報を集約したデータ群で、これまでは道路管理者ごとに管理されてきた定期点検などのデータを一元的に活用できるようにすることを目的としています。同データベースを利用することにより、道路管理者はデータベースを独自に整備する必要がなくなり、他の組織が登録した点検結果などを参考に、さまざまな施策検討に役立てることが可能となります。
ドコモがARサービス「XR City」を14日に提供開始、新宿中央公園や埼玉県庁など7エリア
株式会社NTTドコモは、ARサービス「XR City」を7月14日に提供開始しました。
XR Cityは、専用アプリ「XR City」をスマートフォンにインストールした上で、提供エリアにてスマートフォンをかざすと、その場所に合ったARコンテンツが表示されるサービスです。平面認識やマーカー認識など、特定の場所に異存しないAR技術にも対応しており、屋内外を問わずさまざまな場所でコンテンツ提供が可能です。
サービス開始当初の提供エリアは、埼玉県庁(埼玉県さいたま市)、新宿中央公園(東京都新宿区)、Hisaya-odori Park(愛知県名古屋市)、HEP FIVE・ナビオ ダイニング・阪急三番街・阪急32番街 空庭Dining(大阪府大阪市)、神戸阪急(兵庫県神戸市)、兵庫県立淡路島公園アニメパーク「ニジゲンノモリ」(兵庫県淡路市)、キャナルシティ博多(福岡県福岡市)の計7エリアとなります。さらに2022年8月には東京ドームシティ(東京都文京区)、Hareza池袋および周辺地域(東京都豊島区)、三井ショッピングパーク ららぽーとTOKYO-BAY(千葉県船橋市)の3エリアも追加となり、計10エリアとなる予定です。
提供するコンテンツは、ARコンテンツを用いて写真・動画を撮影できる「ARフィルター」や、リアル脱出ゲームを手がけるSCRAPとコラボした「謎解きコンテンツ」、SDGsをテーマにしたコンテンツやロールプレイングゲーム体験、ドラマのストーリーを楽しめる「街回遊コンテンツ」、ARでガチャが楽しめるコンテンツ、ゲームや映画とのコラボレーションしたコンテンツなど多彩なラインアップを用意しています。
「XR City」を自社で保有する施設などで展開した事業者向けには、VPS(Visual Positioning Service)に対応したプラットフォームサービス「XR City Platform」を提供します。事業者は同プラットフォームを導入することで自社施設に簡単にARコンテンツを配置できます。
天地人、衛星データを活用した土地評価エンジン「天地人コンパス」フリープランを提供開始
株式会社天地人は、宇宙ビッグデータを活用した土地評価エンジン「天地人コンパス」のフリープランを提供開始しました。同社ウェブサイトにてアカウント登録することにより、無料で利用できます。
「天地人コンパス」は、地球観測衛星データをはじめとするさまざまなデータをもとに、各種データの取得・解析・可視化を総合的に行える土地評価サービスです。
フリープランで利用できる機能は、地図と衛星写真・航空写真をベースマップとして表示できる地図表示機能や、地形の凹凸がわかる地図や土壌の性質を示した地図を重ね合わせて表示できるオーバーレイ機能、世界の地表面温度と降水量、日本の日射量をグラフ表示できる気象データ表示機能、メモの追加、地図ファイルのインポート、日本語と英語の表示言語切り替えなどです。
同社は今後、さらなる新機能を追加する予定で、各業界のニーズにマッチした機能をサブスクリプションサービスとしても展開する予定です。また、高時空間分解能の地表面温度データなど天地人のオリジナルコンテンツや、国内外の宇宙ベンチャーが提供する最新の民間商用衛星データも搭載する予定です。
ジオテクノロジーズ、位置情報が付与された「地図アイコンNFT」を提供開始
ジオテクノロジーズ株式会社は7月8日、デジタル地図上に表示されるアイコンに緯度経度の位置情報を付与し、NFT化した「位置情報付地図アイコンNFT」をNFTマーケットプレイスの「OpenSea」内で発売しました。
位置情報付地図アイコンNFTは、カーナビなどのデジタル地図上に表示される建造物やランドマークなどのアイコンに緯度・経度の位置情報を付与してNFT化したもので、第一弾として日本各地の城をドット絵で表現したアート作品「GT Building Collection(ジーティー ビルディング コレクション)」を発売しました。同一のデザインは複数販売することなく、世界唯一のNFTとなります。
将来的には文化財のアイコンに価値を付与することができれば、自治体との連携によって、その収入の一部を文化財保護のために還元することなども可能になり、各地での地方創生に繋がることが期待されます。また、NFTの所有者は、ジオテクノロジーズが整備するデジタル地図上でNFT化された城へのルート探索も可能となるなど、同社はメタバースの世界を視野に入れた構想を描いています。
記事協力:GeoNews