月刊グラフィア 2023年5月号

2023年4月の位置情報ニュースまとめ

地図と位置情報を中心としたニュースサイト「GeoNews」の協力を受けて、2023年4月に掲載したニュースの中から厳選した5つの話題をピックアップして紹介します。

国土地理院、複数の地図表現を切り替えられる「電子地形図50000」を提供開始

国土地理院、複数の地図表現を切り替えられる「電子地形図50000」を提供開始
国土地理院、複数の地図表現を切り替えられる「電子地形図50000」を提供開始

国土地理院は4月28日、新しい電子地形図「電子地形図50000」のインターネットによる提供を開始しました。日本地図センターの「電子地形図50000オンライン」にて購入できます。

電子地形図はデジタルデータとして提供する地形図で、電子国土基本図などからの自動処理を活用して作成されます。今回提供開始する「電子地形図50000」は5万分1地形図の図葉を単位として提供するもので、「電子地形図25000」「電子地形図20万」に次ぐ3種類目の新しい電子地形図となります。

データ形式は、今回初めてレイヤー付のGeoPDFを採用しています。「整飾」「注記・記号」「地図」「傾斜量図」「陰影起伏図」の5つのレイヤーを持っており、それぞれの表示・非表示をユーザー側で切り替えることが可能で、地形表現を用途に合わせて選択したり、地理教育を目的に書き込み用の注記・記号なしの地図を作成したりすることができます。解像度は508dpiで、投影法はユニバーサル横メルカトル図法を採用しています。

4月28日に提供開始する範囲は、「岸和田」、「上高地」、「松之山温泉」、「札幌」の4面と、広島地域の16面で、合わせて20面となります。価格は1面につき280円(税込)。今後は3か月ごと(4、7、10、1月)に順次提供し、2025年度内の全国整備を目指しています。

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ジオテクノロジーズ、日本全域をカバーする詳細地図データを提供開始

ジオテクノロジーズ、日本全域をカバーする詳細地図データを提供開始

ジオテクノロジーズ株式会社は4月17日、日本全国38万㎢を整備した詳細地図のデータを4月に提供開始しました。地図データの内容はウェブ地図サイト「MapFan」にて見ることができます。

同社が提供開始する2023年度版の地図では、日本全国に詳細地図を拡張整備し、温泉地などの自然豊かな地域においても家の形や道路形状が忠実に表現されるようになります。

建物形状がわかることで現在地の情報が読み取りやすくなり、道案内の精度が向上するとともに、住所検索で建物の家形を検索可能となり、配達時の案内にも役立ちます。また、詳細地図には建物の形や道路形状など目印になる場所の情報が含まれるため、災害時の避難経路や避難所の確認の際に参考情報として使えるほか、不動産や道路・ガス・水道などの工事計画にも活用できます。

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マップボックス、位置情報ゲーム「信長の野望 出陣」のベースマップに採用

マップボックス、位置情報ゲーム「信長の野望 出陣」のベースマップに採用
マップボックス、位置情報ゲーム「信長の野望 出陣」のベースマップに採用

マップボックス・ジャパン合同会社は4月3日、同社が提供する地図開発プラットフォーム「Mapbox」が、株式会社コーエーテクモゲームスが開発中のスマートフォン向け位置情報ゲーム「信長の野望 出陣」のベースマップに採用されたと発表しました。

「信長の野望 出陣」では、道や線路に焦点を当てた、位置情報ゲームに適したタイルセット(Mapbox Streets v8)を採用しています。地図のカラーリングやフォントの種類、レイヤー数が多いMapboxの特徴を活かして、ゲームの世界観に適した地図描画を実現しています。

また、アイテム獲得スポットやチェックポイントの配置について、立ち入り禁止区域や歩行不能な道路などを判断して適切な場所のみに設置できる「Playable Location」データも活用しています。禁止エリアだけでなく、一般に開放していないエリアや、学校の校庭や競技場などゲームプレイに相応しくない場所もマップボックス・ジャパンで提供し、さらに細かく調整する支援も行いました。

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ナビタイム、訪日外国人向けナビアプリの位置情報データを地図上で可視化

ナビタイム、訪日外国人向けナビアプリの位置情報データを地図上で可視化

株式会社ナビタイムジャパン4月27日、訪日外国人向けナビゲーションアプリ「Japan Travel by NAVITIME」の位置情報データをもとにしたインバウンドの訪問・滞在状況を「NAVITIME」のウェブ版およびiOS版の地図上にて無料で公開しました。

可視化した地図は、アプリの利用者の同意を得て取得した位置情報データをもとに、250mメッシュ単位で15段階に色分けして表示したもので、更新頻度は1日1回としており、直近1週間(7日前~1日前)のデータを集計します。

これにより、外国人旅行客の訪問・滞在状況を地図上で閲覧可能となるため、インバウンドに人気のエリアの把握や観光分析、マーケティング施策の検討などに活用できます。使い方は、NAVITIMEの地図画面上にある地図選択メニューから「インバウンド人気エリア」を選ぶことで確認できます。

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ヤフー、「Yahoo!天気」で世界中の風の動きと強さがわかる機能を提供開始

ヤフー、「Yahoo!天気」で世界中の風の動きと強さがわかる機能を提供開始

ヤフー株式会社は4月3日、「Yahoo!天気」アプリのAndroid版にて、世界中の風速と風向の予報がわかる新機能「風レーダー」を、雨雲の動きがわかる「雨雲レーダー」に追加したと発表しました。

同機能では、地図上に流れる線のアニメーションにより、わかりやすく風速と風向を表示し、色の分布図で風速を表示します。また、選択地点の風速と風向の推移をグラフで表示するとともに、強い風が想定される場合には「非常に強い風」「猛烈な風」など風の強さをテキストで表示します。これにより、いつ風が強まるのか、どの方角にどの程度の風が吹くのかを一目で確認できます。

風の情報は、2時間前から最大72時間先までを1時間間隔で、世界中から自宅周辺などピンポイントの選択地点まで拡大して確認できます。これにより日本から遠く離れた場所での台風の発生から消滅までを確認することが可能となり、その際に受ける風の影響も事前に把握できます。

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記事協力:GeoNews

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