月刊グラフィア 2024年1月号
地図と位置情報を中心としたニュースサイト「GeoNews」の協力を受けて、2023年12月に掲載したニュースの中から厳選した5つの話題をピックアップして紹介します。
ナイトレイ、人流データと生成AIを掛け合わせた新サービス「CITY INSIGHT Copilot」のクローズドベータテストを開始
株式会社ナイトレイは12月1日、人流データと生成AIを掛け合わせた新サービス「CITY INSIGHT Copilot(シティインサイト コパイロット)」のクローズドベータテスト(CBT)を開始しました。
同サービスは、生成AIに人流データを読み込ませることにより、既存の人流データ分析サービスでは得ることが難しかった示唆や、コンサルティングサービスでしか得ることができなかった傾向分析などをスピーディーかつ手軽に得られるサービスです。ナイトレイの独自技術で収集・解析したSNS解析データを取り込んでいるため、クチコミや人気施設ランキングなどの結果を反映させることができます。
一般的な生成AIと異なり、会話履歴などを生成AIの学習に使用しないため、セキュリティにも配慮した設計となっています。CBTは、地域経済に仕事として関わり、主体的に現状を打破するためのアクションを起こしている自治体や民間企業を対象に募集します。今後は多様な人流データを取り込むことで、多角的な観点の分析と、通常の生成AIではアウトプットすることができない人流データに基づく示唆が得られるように進化させていく方針です。
MIXI、子どもの位置情報を確認できる見守りサービス「みてねみまもりGPSトーク」を1月に発売
株式会社MIXIは、GPSの位置情報を活用した子どもの見守りサービス「みてねみまもりGPSトーク」の予約販売を2024年1月15日の9時に開始すると発表しました。納品は2024年3月上旬を予定しています。
同サービスは、子どもにGPS端末を持たせることにより、スマートフォンアプリで位置情報を確認できる見守りサービスです。従来機能に加えて、アプリと端末の両方から音声メッセージを送受信できる「音声メッセージ機能」を新たに搭載し、双方向のコミュニケーションが可能となりました。GPS端末のボタンを長押しすることにより、最大40秒の音声を録音して送信できます。
また、GPS端末は新たにL1とL5のデュアルバンドに対応し、位置精度が向上したほか、通信品質に応じて自動的に接続先を変更するデュアル通信ネットワークにも対応しました。
契約プランは音声メッセージを送受信できる「ボイスメッセージ付 GPSプラン」のほかに、音声メッセージ機能のない「GPSプラン」も選択できます。GPSプランの場合は、端末のボタンは緊急時に子どもから保護者へ通知できる「お知らせボタン」として使用可能で、利用開始後にプランを変更することもできます。
マップボックス、美しい地図表現が可能な3D機能「Mapbox Standard」を正式に提供開始
マップボックス・ジャパン合同会社は12月5日、デジタル地図開発プラットフォーム「Mapbox」にて、美しい地図表現が可能な3D機能「Mapbox Standard」を正式に提供開始しました。Mapboxのアカウント所有者は、Mapbox GL JS v3、Mobile Maps SDK v11および、 Mapbox Studioにて3D機能を利用できます。
同機能は2023年8月10日にMapboxのアカウント保有者に向けてベータ版が提供されていましたが、このたび正式リリースとなり、それに伴って対応都市が67都市に増えました。日本エリアでは、すでに対応済みの東京のほか、来年には横浜や名古屋、札幌、大阪などの主要都市が追加となる予定です。
提供する機能は、ユーザーの位置情報に基づいて日照による影の動きを表現する「ライティング機能」と、ランドマークとなる建物の3D表示や照明の変化を地図上に反映させる「3Dランドマーク機能」で、正式リリースではラベルや霧などの細かい表示位置設定が追加されます。
ライティング機能では、昼夜のほかに夕暮れや夜明けを表現する照明プリセットが用意されており、1日を通した太陽移動やユーザーの位置情報に基づいた日照による影の動きを地図上で表現できます。
3Dランドマーク機能では、世界中の有名なランドマークのデータセットを登録しており、地図上に表示させることでユーザーは現在地や目的地への方向が明確になります。また、ランドマークに設定された建物の照明の変化も反映されます。
ナビタイム、公共交通データの作成・活用を支援する「GTFSクラウド by NAVITIME」を提供開始
株式会社ナビタイムジャパンは12月19日、自治体やコミュニティバス、路線バス事業者などに向けたクラウドサービス「GTFSクラウド by NAVITIME」を提供開始しました。
同サービスは、公共交通のデータ作成・活用を一括管理できる機能をウェブサイト形式で提供するクラウドサービスです。GTFSデータの作成やダイヤ改正時のデータ更新、時刻表や運賃表等の広報媒体の出力まで行える機能をワンパッケージで提供し、ダイヤ改正業務の自動化やGTFS作成業務をサポートします。
アカウント発行とGTFSデータ作成は無料で利用可能で、有料プランはライトプラン、スタンダードプラン、プレミアムプランから選べます。データ作成機能は地図上へのバス停の登録や時刻・運賃などの登録が可能です。クラウド上にデータを保管することが可能で、ダイヤ改正ごとの世代管理も行えます。また、Googleマップへの登録やオープンデータ化などの活用も行えます。
国土地理院、10月1日時点の都道府県市区町村別の面積を公表
国土地理院は12月21日、「令和5年全国都道府県市区町村別面積調(10月1日時点)」を公表しました。
面積調は、測量法第12条の基本測量に関する長期計画に基づいて、全国の都道府県市区町村別の面積を公表するもので、前回は7月1日時点の面積を9月28日に公表しました。
このたび公表となったのは10月1日時点の面積で、国土の面積は377,974.79㎢と、前回の377,974.85㎢から0.06㎢の減少となりました。
面積調の資料はPDF形式でダウンロード可能で、内容は「第1章 令和5年全国都道府県市区町村別面積調(10月1日時点)の概要」「第2章 都道府県別面積」「第3章 市区町村別面積」の3章および、湖沼面積や島面積などの付属資料で構成されています。また、今回の調査結果に基づく都道府県別面積の順位についての参考資料や、これまでに公表した面積調の内容についてもPDFやCSV形式で公開しています。
記事協力:GeoNews